STRANGER

関西在住のカメラ好きです。日々、好きなもの、気になるもの等を色々と書き綴っております。

写真に関して

どうも、Taka.Mです。

先日、某所にて30年ほど前の古い雑誌を手に取る機会がありました。
内容は飲食店を載せているものだったのですが、当時の撮影環境や媒体の影響力を想像しながら拝見していると、なかなか興味深く、そして、自分自身の勉強にもなりました。
その雑誌に掲載されている写真自体は、個人的には、そう面白いと言うものではありませんでしたが、雑誌を見せてくださったオーナーの話しを聞きながら、撮る人、撮られる人、そして、その先の見る人の意識の繋がりや変動を考えさせられました。

写真

同雑誌を興味深く拝見していると、オーナーから「やっぱり、写真と現物は差がありますよね。」と、問われました。
もう少し詳しく伺ってみると、"昔、雑誌記事を見て訪れた店舗が、ご自身のイメージされていた雰囲気とは違っていた"という事でした。

単純に現物を有りの儘に写せば成立する場合もありますが、今風で表現すると"盛る"事が必要な方向性もある訳です。
そこら辺は、今も昔もカメラマンの良心(機材、技量、コスト等の問題もあるかと思います)であったり、クライアントの希望であったり、使用される媒体の問題であったり、使用される写真点数の問題であったり...様々な要因が関係してくるので、コレって凄く難しい問題ですよね。

伴貞良

私の好きなカメラマンに、伴貞良先生という方が居られます。
伴先生のポートフォリオは下記。
http://vantherra.com/portfolio/
YouTubeチャンネルは下記。
https://www.youtube.com/user/vantherra

私が一方的に支持しているだけですので、普段からSNS等で、たまに相手をして頂いてはいるものの、先生側には私の存在や支持している意識等は皆無と思います。
※先日(2018/06/02)、先生のワークショップにて初めてお会い出来て光栄でした。

そんな、伴先生が以前何かの折に仰っていたのですが、"何処に対してアピールするべき写真なのかで、撮る段階から意識を変えて望むべき"事に関係してくるんですよね。
それは、単純に出来た写真が云々を除いて、クライアントとの打ち合わせ段階での意思疎通であったり、準備であったり、そういった取り巻く環境部分の相互理解が必要になってくると思う訳です。

クライアントから依頼されて、写真を撮って、納品して...なので、クライアントからの要望を満たしていなければ、当然ながら報酬は頂けない訳です。
どの業界でもクライアントが首を縦に振らなければ、依頼されている側は首をくくるハメになる訳です。
昔、デザインをやっていた時期にも、自分の表現とクライアントの要望の双方を両立させるには、どうすべきなのか?と、考える事が多々ありました。
それと合わせて、クライアントとの友好関係を良好なものにする能力も、自分の能力の一環として身に付けて置かなければならないんですよね。

若かりし頃の自分には到底出来ない芸当でしたが、この歳になって、ようやく折り合いをつける事、そこを見つめる事が出来はじめた様に思います。
まだまだ人間的にも未熟で、孔子の格言から遅れる事、何十年というところを這って歩いている様な状況ですけどね...。

イルコ・アレクサンダロフ

私の好きなフォトグラファーとして、イルコ・アレクサンダロフ先生がおられます。
イルコ・アレクサンダロフ先生のサイトは下記。 http://www.ilkoallexandroff.com
YouTubeチャンネルは下記。
https://www.youtube.com/user/ilkophoto

イルコ先生は、ブルガリア出身で、現在は神戸を拠点として活動されている、ポートレート作品で有名なストロビスト、別名、"光の魔術師"と呼ばれている方です。
実際、お会いしてみると凄く気さくで、フレンドリーで、ユーモアのある凄く親切な素晴らしい方です。
イルコ先生に お会いしてから、ストロボを使った作品づくりにも興味を持ち、カメラや機材の知識も深く知る事が出来ました。
光と影と陰を読む能力や、表現者(アーティスト)としての自己確立の大切さ、写真に対しての考え方や取り組み方、また、現代におけるアプローチの手法や考え方等、様々な部分で強い影響力を与えて頂いている方で、作品づくりをする上で、如何に自分の表現者としての意識が一番大切であるかを常に説いておられます。

ストロボを使用した作品撮りに関しても同様ですが、ポートレート作品撮りは自分の経験値としても低いジャンルで、今後の大きな課題のひとつであると痛感しています。
ポートレートにおいては、被写体になって貰える様な人(モデルさん等)が見つからない状況でも、仮に見立てた被写体を用いたり、自らが被写体となってでも、実践的に撮影に取り組み、幅広く理解していかなければと感じています。
イルコ先生の発言に関する影響力は、今や大変大きなものとなり、市場に対しての影響力は凄まじいものがあります。
社会に与える影響力、発言力、発信力と、それに対する考え方や捉え方等、まだまだ多岐に渡って学ぶべき点が多分にあると感じ、考えさせられます。

Kevin Mullins

私の好きなドキュメンタリーウェディングフォトグラファーとして、Kevin Mullins(ケヴィン・ムリンズ)氏というイギリスの写真家がいます。
もちろん(?)、Xユーザーです。(笑)
Kevin Mullins氏のサイトは下記。
https://www.kevinmullinsphotography.co.uk
YouTubeチャンネルは下記。
https://www.youtube.com/user/documentaryeye

伴先生同様、私が一方的に支持しているだけですが、ウェディングフォトグラファーとして大好きな方です。

日本と外国では、モノクロ写真に対しての印象とか捉え方が違う部分がある様に感じることがあります。
特に、普段から写真に関わりを持たない、一般の方に関しては、それが顕著である気がします。
日本人のモノクロ写真に対する感覚は、どちらかと言うと負のイメージ、或いは、クール(冷たい)な感じに特化した印象かな...と感じています。

しかし、Kevin Mullins氏のモノクロ写真は、大半がウェディングフォトです。
作品の中からは、幸せであったり、光のイメージが捉えられており、モノクロの世界から、そういった明るいイメージを受け取る事が出来るのです。
トーンを理解して、上手く表現に繋げる事が出来れば、そういった作品づくりも可能になるのだと勉強になります。
私自身もウェディングフォトを過去数件、撮らせて頂く機会に恵まれておりますが、いずれは、氏の様な作品レベルとして撮れる様に努力する日々です。
モノクロのウェディングフォトというものが、日本の一般的認知として、どれくらいのレベルにあるのかは分かりませんが、そういった表現も出来る様になりたいとは思います。
また、ドキュメンタリーフォトグラファーとしての一面も お持ちなので、そちらの作品にも大変興味があります。

アンリ・カルティエブレッソン

私がカメラや写真に興味を持つ一番の きっかけとなった方として、大好きなフランスの写真家、アンリ・カルティエブレッソン氏がいます。
生前、ライカを愛用され、スナップの神様とも言われています。

残念ながら2004/08/03に亡くなられましたが、それ以降に各地で開かれた展示会等も拝見させて頂いたり、代表的な写真集"決定的瞬間"等も持っております。
氏は新聞記者を志した時期もあり、時代背景を含めて、かなり複雑な経緯をお持ちですが、"日常をアートに変えた写真家"としても有名な方です。
氏の作品は、モノクロ写真が大半なのですが、新聞記者を志した経緯も関係してか、歴史的なシーンにも生前、遭遇される機会が多かった様子。
そういった歴史的シーンを除いた、作品からもメッセージ性の強い、ドキュメンタリー要素を多分に含んだテイストの作品が多数あります。

氏の言葉に、「ひとの写真を撮るのは恐ろしいことでもある。なにかしらの形で相手を侵害することになる。だから心遣いを欠いては、粗野なものになりかねない。」と言う言葉があります。
自分も同じく、スナップ等を含めて、人を撮る事のある人間として、パブリシティ権、肖像権、プライバシー権等も意識しなければならない点が多くあると感じます。

世界の写真家の中では、これらの権利を侵害したとして裁判沙汰になる事も間々ある様ですが、肖像権侵害には至らないとされるケースも多くある様です。
中には、肖像権侵害に値するとされても、それを"自己の表現"として、そのままのスタイルで作品撮りを続けられる写真家もおられる様ですが、誤解を恐れず言うのであれば、時として、そういった強い信念を持ち、ある種の我を通す様な気持ちも必要なのかも知れません。
肖像権侵害に対する意識は、実際のところ、一般人の認識とズレているところも(日本は特に)多分にあり、難しいところだと思います。
仲間内やモデルさんの撮影会等では、予め決められた規則があると思うので、それに準拠すれば問題無いと思います。
スナップ等の撮影時にメインの被写体として写り込んだ場合(意図的か否かは別として)の正攻法としては、その場で、その方と直接交渉し、了承(サイン等)を得るのがベストだと思います。
※本人特定が可能なレベルの被写体として写り込んでいない(風景の一環、ボケている etc.)ケースでは肖像権侵害には至らない事が多い様です。

話しを戻しますが、大好きな写真家である、ブレッソン氏の様な写真に自己の表現を加える事が出来た作品撮りが出来たら...と思います。
※全くの余談ですが、私の大好きな音楽アーティスト、氷室京介さんもブレッソン氏をリスペクトされており、同じバルナックライカを愛用されている事を、後々になって知りました。

まとめ

「写真に関して」というタイトルで書き出したのですが、記事を振り返ると、どういう名目で書き出すのが適当であったのか、イマイチ分かり辛い記事になってしまいました...。(笑)
どちらかと言うと、「私の好きなカメラマンと写真家」の様なタイトルの方が適当であったのかも知れません。

まだ、書いていない写真家やカメラマンで、尊敬する方は居られるのですが、それらを全て書き出したところで余り意味もありませんし、ダラダラと長くなるだけなので止めておきます。

今回の記事のタイトルに関しては、モノクロ写真への感覚や、権利に対する事等、写真に関する大まかな部分にも少し触れたかったので、総括的に「写真に関して」というタイトルのままにしておきます。


ではでは...。